「新しい世界を知ることが、私の喜び。」日本とブラジルを行き来してきたマサトさんの越境ストーリー ──Beyond Borders Vol.12

連載企画「Beyond Borders」の第12回は、ブラジルにルーツを持つマサトさん。日本で生まれ、幼い頃から日本とブラジルを何度も行き来するなかで、言葉やアイデンティティに悩んだこともありました。現在はGTNで、日本で暮らす外国人の生活を支える生活サポートに携わっています。二つの国での経験から学んだこと、そして「新しい世界を知ること」への思いを聞きました。(EP229)
GTNの社員の約7割は外国籍(※)。
なぜ日本を選んだのか、どんな思いで働いているのか──。
連載企画「Beyond Borders」では、GTNの外国籍社員、一人ひとりの「越境ストーリー」を通して、多文化共生のリアルをお届けします。今回登場するのは、ブラジルにルーツを持ち、グローバルコンタクト部で日本に暮らす外国人の生活サポートに携わるマサトさんです。
※2026年4月時点/対象範囲:全スタッフ
なぜ日本を選んだのか、どんな思いで働いているのか──。
連載企画「Beyond Borders」では、GTNの外国籍社員、一人ひとりの「越境ストーリー」を通して、多文化共生のリアルをお届けします。今回登場するのは、ブラジルにルーツを持ち、グローバルコンタクト部で日本に暮らす外国人の生活サポートに携わるマサトさんです。
※2026年4月時点/対象範囲:全スタッフ
日本とブラジルを行き来して見つけた、自分らしさ
ブラジルに一時帰国したときの休日。10年ぶりに家族と再会。
──マサトさんは日本で生まれたそうですね。どのような環境で育ったのでしょうか?
両親は二人ともブラジル生まれで、日本へ働きに来ていたときに出会い、私が日本で生まれました。家の中では両親とポルトガル語、外に出れば日本語という環境で育ちました。両国の言語や文化を理解できるように、家族全員が創意工夫をしてくれていたことを覚えています。日本にいながら自分のルーツを知ってほしい、ブラジルにいる家族にも会わせてあげたいという家族の思いもあり、子どもの頃から何度か日本とブラジルを行き来していました。
両親は二人ともブラジル生まれで、日本へ働きに来ていたときに出会い、私が日本で生まれました。家の中では両親とポルトガル語、外に出れば日本語という環境で育ちました。両国の言語や文化を理解できるように、家族全員が創意工夫をしてくれていたことを覚えています。日本にいながら自分のルーツを知ってほしい、ブラジルにいる家族にも会わせてあげたいという家族の思いもあり、子どもの頃から何度か日本とブラジルを行き来していました。
パラ州ベレン市の都会の風景。ブラジルは写真が歪んで見えるほど暑い!
──日本での学校生活では、どんなことが印象に残っていますか?
見た目は日本人にしか見えませんし、学校では3つある名前のうち一つを省いて、「ハヤシ マサト」と登録していたこともありました。周りから見れば日本人です。でも、日本語で十分にコミュニケーションがとれず、そのギャップに戸惑うこともありました。
家庭の事情もあって転校が多く、環境になじむのが大変な時期もありました。ただ、高校では初めて転校せずに卒業することができ、その頃には自分自身のことを理解して、アイデンティティをオープンにできるようになっていました。周りからも今まで以上に興味を持ってもらえるようになり、最後にはたくさんの友人ができました。
「最初はつらくても、あとからいいことが待っている」と考えることがあるのですが、そう思えるのは、このときの経験があるからかもしれません。
──高校卒業後は、ブラジルへ戻ることを選んだのですね。
高校卒業の頃、人生で一番大きな選択がありました。そのまま一人で日本に残って愛知県の大学へ進学するか、家族と一緒にブラジルへ帰るか……。18歳だった私には、家族と離れて一人で暮らすことがまだ想像できず、ブラジルへ帰ることを選びました。
ブラジルでは高校卒業後に就職しましたが、大学卒業の経歴がないことで、収入面では厳しい状況も経験しました。その後、日本政府の給付型奨学制度を知り、再び日本へ。今度は東京で大学に通うことになりました。
見た目は日本人にしか見えませんし、学校では3つある名前のうち一つを省いて、「ハヤシ マサト」と登録していたこともありました。周りから見れば日本人です。でも、日本語で十分にコミュニケーションがとれず、そのギャップに戸惑うこともありました。
家庭の事情もあって転校が多く、環境になじむのが大変な時期もありました。ただ、高校では初めて転校せずに卒業することができ、その頃には自分自身のことを理解して、アイデンティティをオープンにできるようになっていました。周りからも今まで以上に興味を持ってもらえるようになり、最後にはたくさんの友人ができました。
「最初はつらくても、あとからいいことが待っている」と考えることがあるのですが、そう思えるのは、このときの経験があるからかもしれません。
──高校卒業後は、ブラジルへ戻ることを選んだのですね。
高校卒業の頃、人生で一番大きな選択がありました。そのまま一人で日本に残って愛知県の大学へ進学するか、家族と一緒にブラジルへ帰るか……。18歳だった私には、家族と離れて一人で暮らすことがまだ想像できず、ブラジルへ帰ることを選びました。
ブラジルでは高校卒業後に就職しましたが、大学卒業の経歴がないことで、収入面では厳しい状況も経験しました。その後、日本政府の給付型奨学制度を知り、再び日本へ。今度は東京で大学に通うことになりました。
一人に寄り添いながら、より多くの人に届くサポートを
GTNメンバーと一緒に、金時山を登山。
── GTNに入社したきっかけを教えてください。
大学では日本語教育を専攻し、もともとは日本語教師を目指していました。一方で、外国人の生活サポートをボランティアで行ったり、大学から依頼を受けて仕事として担当したりした経験もありました。
就職活動ではなかなか日本語教師になる機会を得られず、ポルトガル語を使える仕事を探していました。そこで見つけたのが、GTNのポルトガル語を使った生活サポートの仕事です。日本での生活が長いので、生活全般のサポートは自分の得意分野でした。
── 現在はどのような仕事をしていますか?
日本で暮らす外国人の方を中心に、賃貸住宅に関わる代理店・事業者や、外国人を雇用する企業などに対して生活サポートを行っています。
以前は実際に問い合わせを解決する業務を担当していましたが、現在は電話受付のチームで、お客様から問い合わせ内容を伺い、解決を担当するチームがよりスムーズに対応できるよう、必要な情報を集めています。
仕事を通じて、日本について新しいことを知れるのも楽しいですね。私は学ぶこと自体に大きな喜びを感じますし、お客様から「サポートしてくれてありがとう」と言ってもらえることも、やっていてよかったと思える瞬間です。
── 仕事をするなかで、考え方が変わったことはありますか?
最初の頃は、お客様が困っていると「できる限り何とかしてあげたい」という気持ちが強く、思うようにサポートできないことにもどかしさを感じることがありました。でも仕事を続けるなかで、一人ひとりに寄り添うことと同時に、限られたリソースのなかで、より多くの方を継続的にサポートする視点も大切だと学びました。
── 今、特に力を入れていることはありますか?
これまで蓄積してきた知識をまとめ、部内で共有することに取り組んでいます。誰が対応しても一定の質を保てるよう、使いやすく、分かりやすい形を試行錯誤しているところです。将来的には、GTNの情報や知識をお客様にも届け、日本に暮らす外国人が自分自身で課題を解決できるようなサポートをしていきたいと思っています。
大学では日本語教育を専攻し、もともとは日本語教師を目指していました。一方で、外国人の生活サポートをボランティアで行ったり、大学から依頼を受けて仕事として担当したりした経験もありました。
就職活動ではなかなか日本語教師になる機会を得られず、ポルトガル語を使える仕事を探していました。そこで見つけたのが、GTNのポルトガル語を使った生活サポートの仕事です。日本での生活が長いので、生活全般のサポートは自分の得意分野でした。
── 現在はどのような仕事をしていますか?
日本で暮らす外国人の方を中心に、賃貸住宅に関わる代理店・事業者や、外国人を雇用する企業などに対して生活サポートを行っています。
以前は実際に問い合わせを解決する業務を担当していましたが、現在は電話受付のチームで、お客様から問い合わせ内容を伺い、解決を担当するチームがよりスムーズに対応できるよう、必要な情報を集めています。
仕事を通じて、日本について新しいことを知れるのも楽しいですね。私は学ぶこと自体に大きな喜びを感じますし、お客様から「サポートしてくれてありがとう」と言ってもらえることも、やっていてよかったと思える瞬間です。
── 仕事をするなかで、考え方が変わったことはありますか?
最初の頃は、お客様が困っていると「できる限り何とかしてあげたい」という気持ちが強く、思うようにサポートできないことにもどかしさを感じることがありました。でも仕事を続けるなかで、一人ひとりに寄り添うことと同時に、限られたリソースのなかで、より多くの方を継続的にサポートする視点も大切だと学びました。
── 今、特に力を入れていることはありますか?
これまで蓄積してきた知識をまとめ、部内で共有することに取り組んでいます。誰が対応しても一定の質を保てるよう、使いやすく、分かりやすい形を試行錯誤しているところです。将来的には、GTNの情報や知識をお客様にも届け、日本に暮らす外国人が自分自身で課題を解決できるようなサポートをしていきたいと思っています。
日本とブラジル。違って見えても、根っこにあるものは同じ
── 日本とブラジル、両方で暮らし、働いた経験から感じる違いはありますか?
私がそれぞれの国で暮らすなかで感じたのは、コミュニケーションの取り方の違いです。 日本では相手との距離を大切にして空気を読む一方、ブラジルでは思ったことをはっきり伝え、距離を縮めながら関係をつくっていきます。ただ、どちらにも根底には「相手を思いやる気持ち」があると思うんです。その表し方が違うだけです。自分と違う考え方を「おかしい」とするのではなく、「こんな見方もあるんだ」と新しい視点に気づけたらいいと思っています。
── 日本で暮らすなかで、マサトさん自身も変わりましたか?
ますます日本人っぽくなったと思います(笑)。
言葉だけでなく、仕草や人との距離の取り方も変わってきたと感じます。 今では物事をはっきり言うことが少なくなって、その場の空気を読んだり、パーソナルスペースを以前より大切にしたりするようになりました。
── この記事を読んでいる皆さんへメッセージをお願いします。
私がそれぞれの国で暮らすなかで感じたのは、コミュニケーションの取り方の違いです。 日本では相手との距離を大切にして空気を読む一方、ブラジルでは思ったことをはっきり伝え、距離を縮めながら関係をつくっていきます。ただ、どちらにも根底には「相手を思いやる気持ち」があると思うんです。その表し方が違うだけです。自分と違う考え方を「おかしい」とするのではなく、「こんな見方もあるんだ」と新しい視点に気づけたらいいと思っています。
── 日本で暮らすなかで、マサトさん自身も変わりましたか?
ますます日本人っぽくなったと思います(笑)。
言葉だけでなく、仕草や人との距離の取り方も変わってきたと感じます。 今では物事をはっきり言うことが少なくなって、その場の空気を読んだり、パーソナルスペースを以前より大切にしたりするようになりました。
── この記事を読んでいる皆さんへメッセージをお願いします。
Novas oportunidades, novas possibilidades.
「新たな機会には、新たな可能性がある」
これは仕事に限ったことではありません。生きている限り、どんなときでも自分にとって新しいものを追いかけ、視野を広げることは、一度しかない人生をより豊かにするために大切なことだと思っています。
── マサトさんにとって、「越境」とは何でしょうか?
自分のいる枠にとらわれず、境目を越えて新しい価値や視点に触れ、自分の可能性や考え方を広げていくことだと思います。
新しい世界を知ることは、一つの喜びです。
これからは越境によるインプットだけで終わらせず、アウトプットすることで、さらに誰かの越境につなげていけたらと思っています。
これは仕事に限ったことではありません。生きている限り、どんなときでも自分にとって新しいものを追いかけ、視野を広げることは、一度しかない人生をより豊かにするために大切なことだと思っています。
── マサトさんにとって、「越境」とは何でしょうか?
自分のいる枠にとらわれず、境目を越えて新しい価値や視点に触れ、自分の可能性や考え方を広げていくことだと思います。
新しい世界を知ることは、一つの喜びです。
これからは越境によるインプットだけで終わらせず、アウトプットすることで、さらに誰かの越境につなげていけたらと思っています。
最後に
日本とブラジルを何度も行き来し、言葉や文化の違い、ときには自分自身のアイデンティティにも向き合ってきたマサトさん。
「新しい世界を知ることは、一つの喜び」という言葉からは、違いを壁にするのではなく、新しい視点や可能性につなげてきたマサトさんらしさが伝わってきました。
これからもGTNの仲間たちの越境ストーリーをお届けしていきます。
次回もどうぞお楽しみに☺️
「新しい世界を知ることは、一つの喜び」という言葉からは、違いを壁にするのではなく、新しい視点や可能性につなげてきたマサトさんらしさが伝わってきました。
これからもGTNの仲間たちの越境ストーリーをお届けしていきます。
次回もどうぞお楽しみに☺️
ほかのメンバーによる越境ストーリーも、あわせてお楽しみください ✈️ ✈️
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