越境の原体験を力に、誰もが日本で安心して暮らせる未来をつくる ― Beyond Borders Vol.3

2025年10月17日

越境の原体験を力に、誰もが日本で安心して暮らせる未来をつくる ― Beyond Borders Vol.3

連載企画「Beyond Borders」の第3回は、GTN取締役・董さんのストーリーをお届けします。留学時代に直面した「住まいの壁」をきっかけに、外国人が日本で安心して暮らし、働ける環境づくりへと歩みを進めてきた董さん。越境で経験した困難を原点に、今どんな思いで事業に向き合い、どんな未来を描いているのでしょうか。(EP188)

GTNの社員の約7割は外国籍。
なぜ日本を選んだのか、どんな思いで働いているのか──。

連載企画「Beyond Borders」では、GTNの外国籍社員、一人ひとりの「越境ストーリー」を通して、多文化共生のリアルをお届けします。

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第3回は、中国・内モンゴルから日本へ留学し、住まい探しの壁を原点に「安心して暮らせる仕組み」を形にしてきた取締役の董 暁亮(トウ ショウリョウ)さんです!

越境の出発点、日本での仕事の原点

―― まず、来日のきっかけを教えてください。

私は中国の内モンゴル出身で、兄が日本に留学していたこともあり、もともと学生の頃から日本への憧れがありました。

中国の大学を卒業後、日系大手電機メーカーの子会社に勤めていたのですが、現場では日本のシステムを使い、上司も日本人。仕事の傍らで夜間の日本語教育機関に通ううちに、グローバルに活躍する人材になるには日本に渡り、現地で学び、働く必要があると感じたんです。

ビジネスの基礎を体系的に身につけたい思いもあり、日本の大学で経済学を学ぶことを決意し、2001年に来日しました。


―― 来日した当時、何が一番の壁でしたか?

一番大変だったのは、住まい探しです。日本人の連帯保証人がいないという理由で、訪問した不動産会社からは全て断られました。最終的に「連帯保証人は大学関係者でも可」という不動産会社を見つけ、大学に相談。関係者の方が保証人になってくださって、ようやく部屋を借りることができました。

その後、外国人留学生が増えると、大学関係者が保証人になることは禁止となり、後輩たちが苦労していたと聞いています。この経験が「外国人が安心して暮らせる仕組みを日本につくらなければならない」という思いにつながりました


―― その原体験が、現在のGTNでの仕事に直結しているんですね。

はい。現在は取締役として不動産・モバイル・金融・人材など5つの事業部を統括しています。自分自身が外国人として日本で苦労した体験が、事業の改善や新規サービスの種になることも多いんです。

GTN設立当初からのコアである不動産領域では、賃貸契約内容の多言語説明に加え、電気・ガス・水道・インターネットといったライフラインの開設サポート、さらに25言語・24時間体制で生活全般のお困りごとに対応するサポートを展開しています。お部屋探しについても、日本入国前からオンラインで物件を探し、内見・契約まで完了できる体制を整え、入国直後から安心して住める環境を実現しています。

こうした不動産・生活領域にとどまらず、暮らしを支える事業を広げてきました。モバイル事業では、外国人が入国直後から電話番号を使えるようにし、日常の連絡や銀行口座の開設などをスムーズに進められる環境を整えています。金融事業では、エポスと共創した「GTNエポスカード」を通じて、日本での信用情報が乏しいため、従来は審査を通過しにくかった外国人にもクレジットカードを提供し、金融アクセスを大きく変えてきました。会員数はすでに2万人を超えています。人材領域では、来日前の準備から入国後の生活、さらに職場への定着までを一貫して支援し、日本で働き、暮らそうとする外国人の方々に寄り添っています。

これらのサービスは、グループ会社を含め累計で70万人以上の方々にご利用いただいています。いずれの事業も、外国人が日本で安心して暮らし、働き、未来を描ける社会を実現するために欠かせない取り組みだと考えています。
―― 近年は地方にも拠点を広げていますよね?

そうですね。今年は池袋の第2本社をはじめ、仙台に東北支店、広島に中四国支店を新たに開設し、海外拠点も含めると4カ国で16拠点体制となりました。これは単なる拠点拡大ではなく、「共生」を軸とした持続可能な地域社会づくりに向けた新たな一歩です。

地方では少子高齢化で人材不足が深刻化する一方、外国人材の受け入れが進み、住まいや生活インフラ、医療などの課題が浮き彫りになっています。だからこそGTNが自治体や地域の関係機関と連携し、外国人が「働き手」としてだけでなく「生活者」として安心できる環境を整える。そして何よりも、自分の原体験から生まれた痛みを社会課題として解決し、次の世代の外国人が安心して日本で暮らせる環境にしていくこと――それこそが私が果たしたい役割であり、生きがいでもあるんです。

GTNの現場で感じるやりがいと成長

―― 実際の現場ではどんな瞬間にやりがいを感じますか?

外国人と日本人の間にある壁を少しずつなくしていけると実感できたときです。

例えば、日本語の契約書が理解できずにトラブルになりかけていた入居者に、母国語で丁寧に説明することで無事に解決できたことがありました。また、不安から外国人に部屋を貸すのをためらっていたオーナーが、私たちの保証サービスを利用することで安心し、国籍に関係なく契約を進めてくださったケースもあります。

こうした瞬間に、「私たちの仕事が外国人にとっても日本社会にとっても意味がある」と実感し、大きなやりがいを感じます。


――日本で働く中で、ご自身が変わった・成長したと感じる部分は?

昔は「自分一人で成果を出す」ことにこだわっていましたが、「チームで成果を出す」ことに重きを置くようになったことに変化を感じます。後藤社長から「董さんのような人材を、董さん自身が育てていくべき」と言われました。それ以来、次のリーダー育成を軸に、仕事の背景や狙いを丁寧に言語化して共有し、根気強くコミュニケーションすることを大切にしています。ときに「話が長い」と言われることもありますが(笑)、背景を理解してこそ現場で適切な判断ができますから。

現場の困りごとに向き合い続け、2016年に執行役員、2018年に取締役に就任しました。家訓でもある「謙虚」を忘れずに、個の力ではなくチームの力で前に進む――それが今の私の仕事観です。
――原体験を力に変えて歩んでこられた思いが伝わってきました。
この記事を読んでくださっている皆さんにメッセージをお願いします!
我们致力于解决来日外国人面临的各种问题。
私たちは、来日外国人が直面するさまざまな課題の解決に尽力いたします。
外国人と日本人がともに暮らし、働き、未来をつくるために、ぜひ一緒に考えていただければ嬉しいです!

最後に

「自分の原体験から生まれた痛みを社会課題として解決し、次の世代の外国人が安心して日本で暮らせる環境にしていくこと」

董さんの言葉には、ご自身の歩みとGTNの使命が重なり、とても心に残るメッセージでした。

いかがでしたか?

これからもGTNの仲間たちの越境ストーリーをお届けしていきます。
ぜひ次回も楽しみにしていてください☺️
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 📢 イベントのお知らせ
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総合MCは、GTNのイメージキャラクターでもあるホラン千秋さん
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