「今度は、私が誰かを支える側に。」バングラデシュから日本へ、浜田さんの越境ストーリー ──Beyond Borders Vol.13

2026年11月06日

「今度は、私が誰かを支える側に。」バングラデシュから日本へ、浜田さんの越境ストーリー ──Beyond Borders Vol.13

連載企画「Beyond Borders」の第13回は、バングラデシュ出身の浜田さん。国費外国人留学生として来日し、言葉や生活習慣の違いに戸惑いながらも、周囲の人々に支えられて日本での暮らしを築いてきました。現在はGTNのグローバルコンタクト部で、日本に暮らす外国人の生活サポートに携わっています。かつて支えてもらった経験が、今度は誰かを支える力に。浜田さんが大切にしている思いを聞きました。(EP236)

GTNの社員の約7割は外国籍(※)。
なぜ日本を選んだのか、どんな思いで働いているのか──。

連載企画「Beyond Borders」では、GTNの外国籍社員、一人ひとりの「越境ストーリー」を通して、多文化共生のリアルをお届けします。今回登場するのは、バングラデシュ出身で、グローバルコンタクト部の多言語チームを担当する浜田さんです。

※2026年4月時点/対象範囲:全スタッフ

人の温かさに育まれた故郷から、憧れの日本へ

家族と旅行したハワイにて。

──まずは、浜田さんの故郷について教えてください。

私の出身地は、バングラデシュ南東部にあるチッタゴンという街です。国内最大の港がある一方で、海や丘陵地帯など豊かな自然にも恵まれています。
私が故郷でいちばん好きなのは、人の温かさ。バングラデシュでは、家族だけでなく地域全体で支え合う文化が根付いています。初めて会う人同士でも自然に声をかけ合い、誰かが困っていれば、周りの人も一緒になって解決しようとするんです。
家族や友人と食卓を囲み、スパイスを使った料理や新鮮な魚を使った家庭料理を楽しんだ時間は、今でも大切な思い出です。

──日本に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

子どもの頃から海外で学びたいという思いがあり、なかでも日本の教育水準や技術力、伝統と新しい文化が共存するところに魅力を感じていました。
そんななか、日本政府の国費外国人留学生として奨学金をいただけることになったんです。せっかくの機会だからこそ、多くのことを学び、将来は社会に貢献できる人になりたいと思いました。日本への留学は、私の人生の大きな転機でした。

──実際に日本で暮らし始めて、いかがでしたか?

最初は、日本語や生活習慣の違いに戸惑うことも多かったです。銀行口座の開設や役所での手続きなど、何もかもが初めてで、思うように進まないこともありました。
特に大変だったのは、困ったときに、どこへ相談すればいいのか分からないことでした。行政機関などに問い合わせても、「この内容は別の部署です」と案内され、何度も電話をかけ直したり、同じ説明を繰り返したり……。不安な状況のなかで、それは大きな負担でした。
一方で、大学の先生や職員の方々、周りの人たちが親身になって助けてくれました。言葉が十分に伝わらなくても、理解しようとしてくれる。その温かさに何度も救われ、少しずつ日本での生活に自信を持てるようになりました。

「ありがとう」「安心しました」が、仕事の原動力に

2025年GTNアワードにて「Heartful Letter賞」を受賞。

──GTNに入社したきっかけを教えてください。

日本で留学や就職を経験するなかで、外国人が住まいや生活、言葉の面で、さまざまな課題に直面することを実感してきました。
そんなとき、GTNが外国人の暮らしを総合的にサポートしていることを知ったんです。自分の経験を生かして、同じように日本で頑張る外国人の力になれる仕事がしたい。「今度は私が誰かを支える側になりたい」という気持ちが強かったですね。

──現在はどのような仕事をしていますか?

グローバルコンタクト部で、多言語チームを担当しています。住まいや生活に関する相談をはじめ、医療通訳や行政手続きのサポート、契約や退去時の同行支援など、さまざまなケースに対応しています。また、大学や教育機関と連携した留学生の受け入れ支援にも携わっています。
毎日違う相談が寄せられるので、相手の立場に立って考え、その方に合った方法を一緒に探していくことを大切にしています。

──仕事のなかで、特にやりがいを感じるのはどんなときですか?

やっぱり、お客様から「ありがとう」「安心しました」と言っていただける瞬間ですね。不安を抱えて相談された方が、問題を解決して笑顔になる姿を見ると、この仕事をしていてよかったと思います。
それから、チームメンバーの成長もうれしいですね。最初は自信がなかったメンバーが、経験を重ねて自分で対応できるようになっていく。一人ひとりが力を発揮できる環境をつくることも、今の私にとって大切な仕事です。

──チームで働くうえで、大切にしていることはありますか?

相手の話を最後まで聞くことです。
私もGTNに入社したばかりの頃、日本語で自分の考えを十分に伝えられず、不安を感じることがありました。でも、上司や同僚は私の話を最後まで聞き、自分で考える時間を与えてくれたんです。そのおかげで、「失敗しても大丈夫」「挑戦していい」と思えるようになりました。
今は私自身も、メンバーが安心して話せる雰囲気をつくることを心がけています。「分からなかったらいつでも聞いてください」「一緒に考えましょう」。そんな声かけ一つで、安心できることもありますよね。
大切なのは、ただ言葉を「伝える」ことではなく、相手にきちんと「伝わる」ことだと思っています。

困ったとき、最初に相談できる存在でありたい

家族と旅行で奥日光・湯ノ湖へ。

──今、特に力を入れていることは何でしょうか?

チーム全体の成長と、よりよいサポート体制づくりです。外国人のお客様から寄せられる相談は多様です。一人の担当者だけが知識や経験を持つのではなく、チーム全体で共有し、誰が対応しても安心していただけるようにしたいと考えています。また、社内の各ユニットとも連携しながら、業務改善に取り組んでいます。

──これから、どんなことを実現していきたいですか?

外国人の方が困ったときに、最初に安心して相談できる存在になることです。
私自身、来日したばかりの頃、問い合わせ先が分からず、何度も電話をかけ直した経験があります。だからこそ、グローバルコンタクト部を、お客様にとって信頼できる最初の窓口にしていきたいと思っています。
一つの窓口ですべてを解決できなくても、社内の各ユニットが連携すれば、お客様が同じ説明を繰り返すことなく、必要なサポートへつなぐことができます。
「困ったときは、まずGTNに相談しよう」。外国人のお客様だけでなく、受け入れ側の不動産管理会社や雇用企業の皆さんにも、そう思っていただけるような存在になれたらうれしいですね。

──日本とバングラデシュ、両方の文化に触れて、感じていることはありますか?

日本で学んだのは、時間や約束を守ること、そして自分の役割に責任を持つことの大切さです。事前の準備や丁寧な情報共有が、信頼につながることも実感しました。
一方、バングラデシュには、人との距離が近く、自然に助け合う文化があります。どちらにもそれぞれのよさがあると思うんです。日本で学んだ仕事への向き合い方と、故郷で育まれた人との温かいつながり。その両方を大切にしていきたいですね。

──最後に、浜田さんにとって「越境」とは何でしょうか?

私にとって「越境」とは、国境を越えることだけではありません。言葉や文化、価値観、そして固定観念を越えていくことだと思っています。
日本への留学やGTNでの仕事を通じて、さまざまな価値観に触れ、視野が広がりました。そして、違いは必ずしも乗り越えなければならないものではなく、理解し、尊重することが大切なのだと感じています。
バングラデシュの言葉に、私が大切にしている言葉があります。
মানুষের প্রতি সম্মানই সব সীমান্তের ওপরে একটি সেতু।
「人への敬意こそが、すべての境界を越えて人と人をつなぐ架け橋です。」

国籍や文化、言語が違っていても、お互いを理解しようとする気持ちがあれば、人はつながることができる。違いを尊重し、ともに新しい未来をつくっていくこと。それが、私にとっての「越境」です。

最後に

故郷バングラデシュで育まれた助け合いの心と、日本で支えられた経験。その両方が、今の浜田さんの仕事につながっています。
「今度は私が誰かを支える側になりたい」。その思いは、一人ひとりのお客様に寄り添う仕事から、誰もが安心して相談できる仕組みづくりへと広がっています。

これからもGTNの仲間たちの越境ストーリーをお届けしていきます。
次回もどうぞお楽しみに☺️

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