【GTNお悩み相談室 #6】外国人社員を迎えて気づいた、総務の「当たり前」。現場のリアルな困りごとと工夫

多国籍なチームで働くGTNからお届けする「GTNお悩み相談室」。第6回のテーマは、外国人社員を迎える際の「総務の準備と現場のリアルな工夫」です。在留資格や社会保険などの手続きはもちろん、名前が長くてシステムに入りきらない、銀行口座と社内登録でカタカナ表記が違う、「なるべく早めに」が伝わらない……。実際に受け入れてみると、思いがけないところで「これ、どうすればいい?」という疑問や困りごとが出てくることがあります。全社員の約70%が外国籍(※)のGTNでも、総務セクションはさまざまな試行錯誤を重ねてきました。今回は、総務の花田さんと鳥辺さんに、実際に直面した困りごとや対応の工夫、そこから得た気づきを聞きました。(EP234) ※2026年4月時点/対象範囲:全スタッフ

花田さん
GTNの総務業務を担当。多国籍なメンバーと接するなかで、名前の呼び方一つにも本人なりの希望があることなど、日々のやりとりからさまざまな気づきを得ています。国籍で一括りにするのではなく、一人ひとりに確認しながら対応することを大切にしています。

鳥辺さん
前職では約4年間、秘書業務に従事。GTN入社後は事業管理部を経て、総務部へ異動。現在は、社員の入退社に伴う各種手続きや職場環境の整備など、国籍を問わず社員を支える総務業務に携わっています。
「名前が入りきらない!」外国人社員を迎えて気づいた、総務の思わぬ困りごと
最初に挙がったのが、「名前」にまつわる困りごとです。

人事労務システムや行政手続きの画面に名前を入力しようとすると、文字数制限があってフルネームが入りきらないんです。ミドルネームがあったり名前が長かったりすると、アナログの申請書でも枠に収まりません。そんなときは備考欄を使ったり、行政機関に『この表記で合っていますか?』と電話で確認したりしながら対応しています。

来日直後に開設した口座では、本人の発音と実際のカタカナ表記が微妙に違っていたり、Web通帳で長い名前の末尾が切れていたりすることがあります。これによって、初回給与が振り込めないということも過去に何度かありました。振込エラーが出ても、総務だけで「こちらが正しいはず」と勝手に修正することはできません。「もう一度、口座に登録しているフリガナを確認してみてね」と本人と一緒に確認します。

以前、お名前が長いスタッフから『社内では短くニックネームで呼んでね!』と希望されたことがありました。名前の呼び方一つにも、ご本人なりの希望があるんだなと気づきました。結婚や帰化で名前が変わっても、以前の名前を使いたいという人もいます。どう呼ばれたいかは、一人ひとりに聞いてみないと分からないですね。
外国人社員を雇用するうえで、在留資格や在留期限は確認しておきたいポイントです。ただ、最初からすべての制度や手続きを把握するのは簡単ではありません。最初は試行錯誤の連続です。

最初は全然分からなくて、私自身もチェック漏れやミスがありました。必要な書類が足りなくて、本人に「ごめん! 書類が足りなかったから、もう一回出入国在留管理局(入管)に行ってきて……!」とお願いしたことも。でも留学生の採用や海外からの直接採用、高度専門職の社員の手続きなど、 さまざまなケースを経験するなかで、 それぞれの在留資格や採用ルートごとに「どの書類が必要か」という確認ポイントが分かるようになり、以前よりスムーズに対応できるようになりました。

あるスタッフの更新手続きのとき、本人から「この書類を出してください」と頼まれました。経験上、必要のない書類だったので理由を聞くと、「AIに聞いたら必要って言われた」と。AIも参考にはなりますが、制度に関わることなので、分からないときは入管に問い合わせたり、行政書士などの専門家に確認したりしています。
手続きそのものだけでなく、「伝え方」で行き違いが生まれることもあります。たとえば、「なるべく早めに提出してください」という言葉です。

伝える側は「今日か明日くらい」と思っていても、受け取った側は「ほかの仕事もあるから3日後でいいかな」と考えるかもしれません。これは国籍や文化にかかわらず起こりうることです。同じ言葉でも受け取り方は人によって違うので、「なるべく早めに」といった曖昧な表現で察してもらうのを避け、「〇月〇日〇時までに提出してください」と具体的に期限を伝えることが大切ですね。

文化も習慣も制度も法律も全部違うので、「日本のルールだから知っていて当然」と思い込むのではなく、「なぜこの手続きが必要なのか」という背景から丁寧に説明することが大切だと感じています。
外国人社員を迎える職場で大切にしたい、3つのヒント
GTNの総務セクションが実感しているのは、書類の記入漏れやミスの多さは、国籍によって決まるものではないということ。実際には、一人ひとりの違いのほうが大きいといいます。名前の呼び方や表記なども、本人に確認しなければ分からないことがあります。「外国籍だからこうだろう」と決めつけず、共通のルールを基本としながら、必要なことは一人ひとりに確認することが大切です。
✔ 国籍で一括りにせず、本人に確認する
💡ヒント② 全部を知るより「確認先」と「伝え方」を準備する
複雑な制度や手続きを、最初からすべて把握するのは難しいものです。分からないことがあったときに、入管や行政書士など正確な情報を確認できる先を知っておくことも、大切な準備のひとつです。
また、社員に対しても「伝わっているはず」と思いこまないこと。「なるべく早めに」ではなく、「○月○日○時までに」と期限を具体的にする。「この書類を出してください」だけでなく、「なぜ必要なのか」まで伝える。具体的に伝えるだけでも、お互いの認識のズレを減らすことにつながります。
✔ 分からないときの確認先を持ち、「期限+理由」を具体的に伝える
💡ヒント③ 一度経験したことを、「その人しか知らない」にしない
外国人社員への対応で得た経験やノウハウを、担当者個人だけのものにしないことも大切です。
GTNではすでに、在留期限の管理に人事労務システムのアラート機能を活用しています。期限が近づくと通知が出るようにすることで、担当者個人の記憶だけに頼らず、確認できるようにしています。
よくある質問や必要な手続きについては社内ポータルにも情報を掲載しています。しかし、「まずポータルを見て自分で調べる」という使い方をどう定着させていくかは、これからの課題です。情報を充実させるだけでなく、必要な人が必要なときに使えるよう、案内の仕方も工夫していきます。
一度経験した対応を「あの担当者に聞かないと分からない」で終わらせず、次の人も使える形で残していく。少しずつ仕組みにしていくことで、メンバーが増えたときにも対応しやすくなります。
✔ 経験を個人にためず、次の人も使える仕組みにする
お祈りスペース、どうしてる?
外国人社員を迎えるなかで、オフィス環境について考えることもあります。そのひとつが、お祈りをするためのスペースです。
とはいえ、既存のオフィスに後から専用の部屋を設けるには、スペースの確保やビルの管理会社との調整など、さまざまな制約があります。
GTNでも、最初から専用の部屋があったわけではありません。備品を収納していた部屋をプレイルームとして使ったり、パーティションで仕切ったスペースを活用したりしながら、少しずつ環境を整えてきました。新しいオフィスでは、設計の段階からお祈りスペースを設けています。
必要な環境を一度に整えることが難しくても、まずは今あるスペースを活用しながら、少しずつ改善していく。GTNでも、できるところから工夫を重ねてきました。
最後に ― 「違うかもしれない」という視点を大切に

前段でお話ししたように、私たちの「当たり前」が相手にとっても同じとは限りません。だからこそ、知識の有無を問うのではなく、最初から「違いがある」という前提に立って向き合うこと。それが、多様なメンバーをサポートする上で最も大切な出発点だと考えています。
みなさんの会社にも、「担当者は知っているけれど、ルールとしては書かれていないこと」はないでしょうか。外国人社員を迎えることをきっかけに、そんな職場の「当たり前」を一つずつ見直していくことも、受け入れの準備につながりそうです。
これからも皆さんのお悩みに寄り添いながら、現場のリアルな工夫をお届けしていきます!「こんなことを取り上げてほしい」という声があれば、ぜひコメントで教えてください✨






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