【GTNお悩み相談室 #2】外国人社員に「日本の職場ならではのルール」をどう伝える?多国籍チームで働くヒント

2025年11月21日

【GTNお悩み相談室 #2】外国人社員に「日本の職場ならではのルール」をどう伝える?多国籍チームで働くヒント

「GTNお悩み相談室」第二弾!今回のテーマは「外国人社員に『日本の職場ならではのルール』をどう伝えるか?」。外国人社員に日本の職場ルールをどう伝え、どう理解し合うか…多文化のチームで働くためのヒントを、GTN社員の声とともにお届けします。(EP191)

今回のテーマは…「日本の職場ルール」、どう伝える?どう伝わる?

こんにちは、GTN広報の中井です。
オウンドメディア「GTN WOW」で始まった新企画「GTNお悩み相談室」。
今回は2回目となります。

今回のテーマは、ちょっと身近で気になる話題、
「外国人社員に『日本の職場ならではのルール』をどう伝えるか?」です。
日本でも多国籍なチームで働く企業が増えていますよね。GTNもその一つ。社員の約7割が外国籍で、日々異なる文化や価値観が交わっています。

でも、日本の職場で“当たり前”とされていることが、海外ではそうとは限らないんです。

たとえば「時間を守る」「報連相」「“お世話になっております”で始まるメール」……。そんな小さな違いが、思わぬすれ違いにつながることも。

今回は、GTN社員の声をもとに、多国籍チームで働くための“伝え方“と“理解のヒント”をお届けします。

社内アンケートで探る、「日本の職場ルール」のリアル

GTNでは、社員を対象に「日本の職場特有のルールやマナーで困ったこと」についてアンケートを行いました📝
「日本の職場のどんなルールやマナーが「分かりにくい or 伝わりにくい/戸惑う」と感じますか?」という質問に対しては、下記のような意見が多く挙がりました👀

● 敬語や言葉遣い
「承知しました」と「かしこまりました」の違いがわからない

● 謝る文化
悪くなくても「とりあえず謝る」のはなぜ?

● 電話・メールでの定型表現
「お世話になっております」のような定型文が多くて難しい
「調和」を重んじる、日本の職場文化

日本の職場では、効率や成果だけでなく、「相手への敬意」や「和を乱さない配慮」を大切にする文化があります。例えば、小さなやり取りでも、丁寧な言葉遣いや、相手の立場を思いやる態度が求められますよね。

でも、この背景を知らないまま「形式だけ」を伝えてしまうと、「なぜそうするのか」が理解されず、形だけのマナーとして受け取られてしまうことも。
その結果、「注意しても改善されない」というすれ違いが起きやすくなります。

それではここからは、アンケートで集まった声とあわせて、現場で役立つ解決のポイントをご紹介しましょう!

アンケートから見えた「解決のポイント」

────💡解決のポイント① 「形式」よりも「意味」を共有する

 ①マナーやルールの「理由」を伝える
  例:「なぜそうするのか」「何を大事にしているのか」を一言添える
 ②目的に立ち返って説明する
  例:「時間厳守=相手の予定を尊重するため」「お辞儀=敬意を形にするため」

💭アンケートの回答
・なぜ、何のためにそのルールやマナーを守るべきか明確に教えていただきたいです。(守るためだけのルールは、正直納得がいきません)
・わかって当然ではなく、わかるように伝えて、学ぶ側も自分から身に着けていくと互いに学ぶ姿勢、文化を作っていけると思います。

ルールやマナーは「守ること」自体が目的ではなく、お互いに気持ちよく信頼関係を築くための手段です。しかし、日本の「空気を読む」文化の中では、その背景や理由が言葉にされないままになってしまうこともよくありますよね。「なぜそれが大切なのか」を伝えることで、形式だけで終わらず、初めて相手に伝わるようになります。
────💡解決のポイント② ルールは「伝える」だけでなく、「見える形で共有」する

 ①優先度の高いルールやマナーは、言葉で具体的に伝える
  例:会議の遅刻・服装・報告のルールなどは、言語化する
 ②全員が見える場所に残す
  例:チーム会議で共有/ルールブック・チェックリスト化する

💭アンケートの回答
・そもそもマナーやルールが明示されていないので誤解が生じる。守るべき(守ってほしい)ものについてはわかりやすいところに明示しておくべき。
・一度の周知ではなく、継続的に簡単な動画などでの講習があるとよいかと考えます。
・堅苦しく伝えるのではなく外国籍の方が苦に思わないように、部内朝礼などでユーモアを交えて教える姿勢が一番いいと思います。

「知らなかった」「聞いていない」を防ぐには、「言葉にする」「それを形に残す仕組み」の両方が欠かせません。ルールを「見える化」する工夫が、誰もが働きやすい職場をつくります。
────💡解決のポイント③ 「違い」を見つけたら、話し合うチャンスに変える

 ①違いに気づいたときは、その背景をお互いに説明し合う
  例:「自分の国では~だからこのようにする」/「あなたの国ではどうですか?」
 ②相手の立場にたって一度考えてみる
  例:「日本では~だけど、相手の文化では~」

💭アンケートの回答
・相手の言動に驚いたときは、「どうしてそうするの?」と聞いてみると、お互いわかり合えることが多いです。
・日本は宗教問題に関心が弱いので、一緒に働く外国籍の方が働く環境と宗教に対しての理解を最前線で行っていただきたいと感じています。
・日本はもっと世界のスタンダードも理解してほしいです。

GTNのように約20の国と地域のメンバーが集まる職場では、「違いをどう受けとめるか」が日々のテーマです。
こうした対話の積み重ねが、文化の違いを越えて協働できるチームづくりの礎になります。「違うこと」は悪いことではなく、話し合いを通じて「なぜそう考えるのか」を共有することで、文化への理解が深まり、すれ違いが起きにくい職場に変わります。

最後に ― 違いを受け止めることが組織を強くする

今回のテーマに関連して、ぜひ読んでほしい記事があります。

海のない国から描いた新しい夢― Beyond Borders Vol.2 - GTN WOW|日本の力になる人の力になる

連載企画「Beyond Borders」第2回は、ネパール出身のディクシャさん。 多くの外国人が留学や仕事をきっかけに日本へやって来ますが、彼女の理由は少しユニークでした。 10代で来日し、異国での生活や学びを通して見つけた気づきや成長とは──? 「海のない国」から日本へ渡った越境ストーリーを、ぜひご覧ください。(EP187)

この記事の後半「多文化の職場が教えてくれること」では、GTNで最も多国籍の部署である生活サポート部で働く彼女が、日々の中で感じた文化の違いとの向き合い方を語っています。

異なる背景を持つメンバーが集まると、戸惑いやすれ違いが生まれることもあります。けれど、その違いを壁ではなく「成長のきっかけ」として受け止めることで、新しい視点や発想がチームの中に芽生えます

こうした姿勢は、多文化共生やダイバーシティ経営を考えるうえでも欠かせない視点です。

大切なのは、「伝える」だけでなく「聞く」こと
意味や背景を共有し合う姿勢は、外国人社員だけでなく、誰もが力を発揮できる組織文化を育てる第一歩になります。
GTNお悩み相談室💭のアーカイブ記事もご覧ください

【GTNお悩み相談室 #1】外国人と働く職場で起きる、ハイコンテクストな日本語での「すれ違い」をなくすには - GTN WOW|日本の力になる人の力になる

新企画「GTNお悩み相談室」をはじめます。今回は、日本語を公用語とする職場で起きる「すれ違い」をテーマに、GTN社内の声から見えた課題と、解決のヒントを紹介します。(EP185)

2回目の「GTNお悩み相談室」はいかがでしたか?

これからも皆さんのお悩みに寄り添いながら、解決の糸口を一緒に探していきたいと思います。「こんなことを取り上げてほしい」という声があれば、ぜひコメントで教えてください✨

これからも「GTNお悩み相談室」をどうぞよろしくお願いします☺

みんなのコメント

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Esraa

2025年11月21日

多文化の職場で日々感じている課題がとても整理されており、大変参考になりました。
とくに、日本の職場ルールを「形式として伝える」のではなく、その背景や意味まで共有することの重要性が改めてよく分かりました。
多様なメンバーが働く環境だからこそ、対話を通じた相互理解や、ルールの見える化が欠かせないと感じています。
今回の記事で得た視点を、今後のコミュニケーションにも意識して取り入れていきたいと思います。

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