「名字+名前」は当たり前じゃない? 多文化チームのコミュニケーションを深める、世界の「なまえ」文化

2026年03月18日

「名字+名前」は当たり前じゃない? 多文化チームのコミュニケーションを深める、世界の「なまえ」文化

なまえを書くとき、呼ばれるとき、自己紹介をするとき。私たちが何気なく使っている「なまえ」ですが、そのルールは国や地域によって驚くほどバラエティ豊かです。「名字+名前」が当たり前の日本から一歩外へ出ると、名字を持たない文化、両親の名字を受け継ぐ文化、長い名字が多い国もあります。なまえの裏側をのぞけば、文化の違いが見えてきます。世界のユニークな“なまえ事情”をのぞいてみませんか?(EP205) ※この記事では、フルネームを「なまえ」、姓を「名字」、名を「名前」として表記します。

世界でこんなに違う「なまえ」のルール

GTNでは、社員の約70%が外国籍メンバー。さまざまな国や地域から集まったメンバーが働いているため、社内でも多様な「なまえ」に触れる機会があります。中国、韓国、ベトナム、ネパール、スリランカなど、アジア各地のメンバーが働くGTNでは、日常のコミュニケーションの中でも、「なまえ」の違いにふと気づく場面がよくあります。

以前、社内のイベントGTN AWARDSで行われたクイズで、「あるスリランカ人メンバーのなまえに、ローマ字の“A”はいくつあるでしょう?」という問題が登場し、社内で話題になったことも!(答えは「12個」!!)

日本では「名字+名前」の順番が一般的ですが、なまえのルールは国や地域によって大きく異なります。なまえを見ただけでは、どこまでが名字で、どこからが名前なのか迷ってしまうことも。ヨーロッパ文化圏やフィリピンなどでは「名前+名字」で表記されることが多く、ミドルネームを持つ人も少なくありません。また、日本や欧米のように、代々受け継がれる名字を持たない文化もあります。たとえばミャンマーでは、親から受け継ぐ固定の名字は基本的に存在せず、個人のなまえで構成されるのが一般的です。

このように、「名字があるのが当たり前」「なまえは二つでできているもの」といった感覚は、世界では必ずしも共通ではありません。なまえの構成を見るだけでも、その社会の歴史や価値観の違いが見えてきます。

「なまえ」を見れば、その国らしさが見えてくる

世界のなまえには、その土地の歴史や社会の背景が表れることがあります。

たとえばヨーロッパでは、先祖の職業がそのまま名字になっているケースもあります。ドイツの「シュミット」やロシアの「コヴァリョフ」は、どちらも「鍛冶屋」に由来しています。童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの「アンデルセン」も、「アンデルスの息子」という意味を持つ名字として知られています。また、スペインやポルトガルのように、父方と母方、両方の名字を受け継ぐ文化もあります。なまえの中に家族の歴史やつながりが重なっているのが特徴です。

アジアのなまえ文化もまた、とても多彩です。先に登場したAが12個も入ることがあるスリランカの名前は、民族や習慣によって構成が異なりますが、家系や親の名前、個人名などを重ねて表すことがあり、そのぶんフルネームが長くなる場合もあります。ベトナムでは、なまえが3語や4語で構成されることが多く、並びは「姓+テンデム(ミドルネーム)+名前」といった形になります。また、名字が「グエン」に集中(約4割!)しているため、日常生活では名字よりも最後の「名前」で呼び合うことが多いようです。タイでは比較的新しく名字の制度が広がり、ほかの家と重ならないよう工夫された結果、長い名字が多いといわれます。

さらに、同じ漢字文化圏でも地域によって表記のルールはさまざまです。中国大陸、台湾、香港、マレーシア、シンガポールなどでは、歴史的な背景の違いから、同じ漢字でもアルファベットにしたときのつづりが異なることがあります。韓国では日常的に漢字を使う機会は多くありませんが、なまえには漢字が用いられていることがあります。漢字が持つ意味を大切にして名づけられる点も特徴のひとつです。

「なまえ」を知ることは、文化を知ること

こうして見てみると、「なまえ」は単なる呼び名ではなく、その国の文化や歴史、家族観を映すものでもあります。家族とのつながりを表すものだったり、宗教や地域の文化が反映されていたりと、なまえにはその国ならではの背景があります。なまえのあり方はまさに千差万別!

なまえの違いを知ることは、その人の文化や背景を理解するきっかけにもなるのかもしれません。
多文化の職場では、必ずしも名字で呼ぶとは限らないからこそ、相手が呼ばれたいなまえを尊重することが大切です。「どう呼ばれたいですか?」と一言聞いてみることも、相手への思いやりにつながるのかもしれませんね。

みんなのコメント

コメントがありません。

コメントする

おすすめ記事

人気記事

ページのトップへ