外国人定住と多文化共生をカタチに!西武鉄道×GTNの共同プロジェクト『Japan Life with Seibu』の挑戦と可能性

西武鉄道株式会社とGTNとの共同プロジェクト『Japan Life with Seibu』が、スタートから5年目を迎えました。この取り組みは、外国人住民の視点から西武鉄道沿線の魅力を発信することで沿線エリアへの訪日外国人の定住を促進し、地域住民と外国人住民との相互理解を深めることを目指していますが、実際にはどのような成果があったのでしょう?
今回は、本プロジェクトを主導する西武鉄道株式会社 鉄道本部 運輸部 スマイル&スマイル室の片山陽介さんと西耒路(さいらいじ)優さんに、発足の経緯やGTNとの協業で得られたこと、さらには今後の展望まで、あらゆるエピソードをお聞きしました。
コロナ渦が発足のきっかけに。GTNのノウハウを取り入れて始動

──『Japan Life with Seibu』プロジェクトを立ち上げた経緯を教えてください。
片山さん 私たち運輸部スマイル&スマイル室(以下、スマイル室)は、西武鉄道の定期外収入、つまり定期券以外で利用されるお客様を増やすための施策を考える部署で、そのターゲットには観光で訪れる国内外のお客様も含まれていました。東京2020オリンピック・パラリンピックの開催が決まったのをきっかけに、インバウンド施策の強化したのですが、コロナ渦ですべてが中断してしまい、方針転換を余儀なくされました。
スマイル室のこれまでの経験を生かして何ができるだろうか──いろいろ考えをめぐらせるなかで誕生したのがこの『Japan Life with Seibu』です。本プロジェクトは西武鉄道沿線エリアに「外国人の定住者を増やす」ことと、「地域の方と外国人定住者との相互理解を深める」ことを目的としています。
西耒路さん もともと、少子高齢化による人口減少への対応が課題となっており、当社でも以前から国内の方へ向けたの定住施策には取り組んでいました。ただ、外国人の方が対象となると多言語対応などこれまでとは違う要素が必要になるので、インバウンド施策で外国人向けの企画や発信を手がけてきたスマイル室が、今回のプロジェクトを主導することになったという背景もあります。
──GTNとはどのような経緯で連携することになったのですか?
片山さん プロジェクトを進めるうえで、定住される外国人の方々への生活サポートは欠かせません。そのため、この分野でのノウハウと実績が豊富なGTNさんとの協業は発足当初から考えていましたし、実現までの運びもとてもスムーズでした。やはり、留学や就労で日本に来られた外国人の方が何に困っていて、どのようなサポートを必要としているのかは、直に触れ合ってみないと分かりません。もし私たちだけで進めていたら、机上の空論のアイデアばかりになってしまい、プロジェクトが空回りしていたかもしれませんね。
西耒路さん GTNさんには、日本への定住を考えている外国人の方々のさまざまな意見を集めていただき、とても参考になりました。そのおかげもあって、日本で暮らす外国人の方々に対してプロジェクトの理念やサービス内容をしっかり伝えることができていると感じています。
片山さん 私たち運輸部スマイル&スマイル室(以下、スマイル室)は、西武鉄道の定期外収入、つまり定期券以外で利用されるお客様を増やすための施策を考える部署で、そのターゲットには観光で訪れる国内外のお客様も含まれていました。東京2020オリンピック・パラリンピックの開催が決まったのをきっかけに、インバウンド施策の強化したのですが、コロナ渦ですべてが中断してしまい、方針転換を余儀なくされました。
スマイル室のこれまでの経験を生かして何ができるだろうか──いろいろ考えをめぐらせるなかで誕生したのがこの『Japan Life with Seibu』です。本プロジェクトは西武鉄道沿線エリアに「外国人の定住者を増やす」ことと、「地域の方と外国人定住者との相互理解を深める」ことを目的としています。
西耒路さん もともと、少子高齢化による人口減少への対応が課題となっており、当社でも以前から国内の方へ向けたの定住施策には取り組んでいました。ただ、外国人の方が対象となると多言語対応などこれまでとは違う要素が必要になるので、インバウンド施策で外国人向けの企画や発信を手がけてきたスマイル室が、今回のプロジェクトを主導することになったという背景もあります。
──GTNとはどのような経緯で連携することになったのですか?
片山さん プロジェクトを進めるうえで、定住される外国人の方々への生活サポートは欠かせません。そのため、この分野でのノウハウと実績が豊富なGTNさんとの協業は発足当初から考えていましたし、実現までの運びもとてもスムーズでした。やはり、留学や就労で日本に来られた外国人の方が何に困っていて、どのようなサポートを必要としているのかは、直に触れ合ってみないと分かりません。もし私たちだけで進めていたら、机上の空論のアイデアばかりになってしまい、プロジェクトが空回りしていたかもしれませんね。
西耒路さん GTNさんには、日本への定住を考えている外国人の方々のさまざまな意見を集めていただき、とても参考になりました。そのおかげもあって、日本で暮らす外国人の方々に対してプロジェクトの理念やサービス内容をしっかり伝えることができていると感じています。

──GTNとはどのように協業しているのですか?
片山さん スマイル室が主に担当しているのは広報的な役割で、お部屋探しや生活サポートといった実務的な対応はGTNさんにお願いしています。とはいえ、『Japan Life with Seibu』の特設サイトや駅貼りポスター、電車内・駅構内のサイネージ広告など告知物を作るときも相談しながら進めているので、GTNさんにはプロジェクト全体に深く関わっていただいています。
ちなみに、特設サイトは西武鉄道沿線に住んでいらっしゃる外国人の方々にインタビューした連載記事を掲載しています。対象者の人選を含め、GTNさんの協力なくしては実現しませんでした。
西耒路さん 『Japan Life with Seibu』プロジェクトの施策が順調に進んでいるのは、やはりGTNさんの協力があったからだと思います。今後はプロジェクトを通して定住された外国人の方々や、物件を提供してくださった不動産会社・家主様の声をもっと深掘りしていく必要があると感じていますが、それもぜひ一緒に進めていけたらと考えています。
片山さん スマイル室が主に担当しているのは広報的な役割で、お部屋探しや生活サポートといった実務的な対応はGTNさんにお願いしています。とはいえ、『Japan Life with Seibu』の特設サイトや駅貼りポスター、電車内・駅構内のサイネージ広告など告知物を作るときも相談しながら進めているので、GTNさんにはプロジェクト全体に深く関わっていただいています。
ちなみに、特設サイトは西武鉄道沿線に住んでいらっしゃる外国人の方々にインタビューした連載記事を掲載しています。対象者の人選を含め、GTNさんの協力なくしては実現しませんでした。
西耒路さん 『Japan Life with Seibu』プロジェクトの施策が順調に進んでいるのは、やはりGTNさんの協力があったからだと思います。今後はプロジェクトを通して定住された外国人の方々や、物件を提供してくださった不動産会社・家主様の声をもっと深掘りしていく必要があると感じていますが、それもぜひ一緒に進めていけたらと考えています。
インタビュー記事を通して生きた情報を発信

──日本に暮らす外国人の中でも、特にターゲットにしている層はありますか?
片山さん 今のところはターゲットを絞らず全方位に訴求していますが、今後は留学生が多いエリア・社会人が多いエリアなど、地域の特性ごとにターゲットを絞る方向で考えています。なかでも、西武鉄道の沿線には多くの大学が点在しているという大きな特徴があり、これは他の鉄道会社様との差別化を図るうえで有効なアピールポイントになるかと思います。
西耒路さん 加えて、秩父のような自然豊かなエリアにも、新宿・池袋といった都心の街にも比較的簡単にアクセスできるという利便性もウリになるはずです。また、沿線には情緒ある昔ながらの商店街が多く残っているので、それも外国人の方に興味を持っていただける要素ではないでしょうか。
──外国人の方が、住まいを決める際に重視するポイントはありますか?
片山さん 本格的な調査は行っていないので断言はできませんが、外国人の方々へのインタビューを通して感じたのは、多くの方が「暮らしやすさ」を重視していらっしゃることでした。買物できる場所がすぐ近くにある、近隣に公園などの憩いの場がある、都心にすぐ出られる──そうした利便性を重視するのは、外国人も日本人も一緒です。
西耒路さん 地元の方しか知らないような美味しい飲食店をご紹介いただくなど、インタビューを通して”生きた情報”が得られており、それをお役立ち情報として広く発信できているのが『Japan Life with Seibu』プロジェクトの強みだと思います。ここまで手応えのある取り組みが実現できたのは、GTNさんと協業したからこそ。そうでなければ、表面的な情報をSNSなどで発信するだけに止まっていたかもしれません。
片山さん 今のところはターゲットを絞らず全方位に訴求していますが、今後は留学生が多いエリア・社会人が多いエリアなど、地域の特性ごとにターゲットを絞る方向で考えています。なかでも、西武鉄道の沿線には多くの大学が点在しているという大きな特徴があり、これは他の鉄道会社様との差別化を図るうえで有効なアピールポイントになるかと思います。
西耒路さん 加えて、秩父のような自然豊かなエリアにも、新宿・池袋といった都心の街にも比較的簡単にアクセスできるという利便性もウリになるはずです。また、沿線には情緒ある昔ながらの商店街が多く残っているので、それも外国人の方に興味を持っていただける要素ではないでしょうか。
──外国人の方が、住まいを決める際に重視するポイントはありますか?
片山さん 本格的な調査は行っていないので断言はできませんが、外国人の方々へのインタビューを通して感じたのは、多くの方が「暮らしやすさ」を重視していらっしゃることでした。買物できる場所がすぐ近くにある、近隣に公園などの憩いの場がある、都心にすぐ出られる──そうした利便性を重視するのは、外国人も日本人も一緒です。
西耒路さん 地元の方しか知らないような美味しい飲食店をご紹介いただくなど、インタビューを通して”生きた情報”が得られており、それをお役立ち情報として広く発信できているのが『Japan Life with Seibu』プロジェクトの強みだと思います。ここまで手応えのある取り組みが実現できたのは、GTNさんと協業したからこそ。そうでなければ、表面的な情報をSNSなどで発信するだけに止まっていたかもしれません。
想定外のムーブメントを起こせるか!?GTNと創るプロジェクトのこれから

──『Japan Life with Seibu』プロジェクトへの反響はいかがですか?
片山さん プロジェクトを通して、定住を決めた外国人の方は着実に増えています。それ以外にも、さまざまな反響をいただいており、その一例としては、西武鉄道沿線にお住まいの日本人の方から「地域活性化の施策として本プロジェクトと組むことはできないか」というご相談をいただいたことがありました。このような思わぬ反響を得られたのも世の中にしっかり発信できていたからこそ。その発信を適切にサポートいただいたき、心から感謝しています。
西耒路さん 「西武鉄道沿線エリアに外国人の定住者を増やす」という当初の目的を超えて、プロジェクトの波及効果がどんどん広がっているのを感じています。もし、自治体や行政に携わる方や物件のオーナー様が「このプロジェクトを活用して地域を盛り上げたい」と手を挙げてくださったら、予想しなかったようなムーブメントが起こせるかもしれません。それを考えると、とてもワクワクします。
片山さん プロジェクトを通して、定住を決めた外国人の方は着実に増えています。それ以外にも、さまざまな反響をいただいており、その一例としては、西武鉄道沿線にお住まいの日本人の方から「地域活性化の施策として本プロジェクトと組むことはできないか」というご相談をいただいたことがありました。このような思わぬ反響を得られたのも世の中にしっかり発信できていたからこそ。その発信を適切にサポートいただいたき、心から感謝しています。
西耒路さん 「西武鉄道沿線エリアに外国人の定住者を増やす」という当初の目的を超えて、プロジェクトの波及効果がどんどん広がっているのを感じています。もし、自治体や行政に携わる方や物件のオーナー様が「このプロジェクトを活用して地域を盛り上げたい」と手を挙げてくださったら、予想しなかったようなムーブメントが起こせるかもしれません。それを考えると、とてもワクワクします。
──新たな展開として考えていることはありますか?
片山さん 定住された方だけでなく、そのご家族やご友人など関係者も対象にしたサービスも今後拡充していこうと考えています。その一環として、まだ試験的段階ではありますが「SEIBU KAWAGOE PASS」「SEIBU 1Day Pass」「SEIBU 1Day Pass+Nagatoro」「MOOMINVALLEY PARK Ticket&Travel Pass」という4種類のインバウンド向けフリー乗車券を、デジタル乗車券として手軽に購入できるようにしました。
4種類のうち3つは西武ツーリストインフォメーションセンター池袋(以下、TIC)、西武新宿駅特急券うりば、高田馬場駅早稲田口およびビッグボックス口にて購入できます。購入の際は在留カードまたはパスポートを提示すればOKです。乗車券のデジタル化により、紙の乗車券を受け取るために池袋駅のTICまで足を運ぶ必要もなくなりました。
定住者の方が、海外から遊びに来られたご家族やご友人を案内するかたちで、西武鉄道沿線の観光地や施設を訪れる機会が増えるのではないかと想定しています。この取り組みは、冒頭でも触れたように「西武鉄道沿線の定期外収入を増やす」というスマイル室の本来の目的にもつながるので、うまくいくことを願っています。
西耒路さん 各自治体の皆さんもインバウンドの取り込みには前向きで、さまざまな場面で協力していただいています。たとえば、「ムーミンバレーパーク」のある飯能市には、パンフレット作りでご協力いただきました。こうした連携によって、『Japan Life with Seibu』プロジェクトと定期外事業との間で良いシナジーを生み出していけたらと思っています。
片山さん 定住された方だけでなく、そのご家族やご友人など関係者も対象にしたサービスも今後拡充していこうと考えています。その一環として、まだ試験的段階ではありますが「SEIBU KAWAGOE PASS」「SEIBU 1Day Pass」「SEIBU 1Day Pass+Nagatoro」「MOOMINVALLEY PARK Ticket&Travel Pass」という4種類のインバウンド向けフリー乗車券を、デジタル乗車券として手軽に購入できるようにしました。
4種類のうち3つは西武ツーリストインフォメーションセンター池袋(以下、TIC)、西武新宿駅特急券うりば、高田馬場駅早稲田口およびビッグボックス口にて購入できます。購入の際は在留カードまたはパスポートを提示すればOKです。乗車券のデジタル化により、紙の乗車券を受け取るために池袋駅のTICまで足を運ぶ必要もなくなりました。
定住者の方が、海外から遊びに来られたご家族やご友人を案内するかたちで、西武鉄道沿線の観光地や施設を訪れる機会が増えるのではないかと想定しています。この取り組みは、冒頭でも触れたように「西武鉄道沿線の定期外収入を増やす」というスマイル室の本来の目的にもつながるので、うまくいくことを願っています。
西耒路さん 各自治体の皆さんもインバウンドの取り込みには前向きで、さまざまな場面で協力していただいています。たとえば、「ムーミンバレーパーク」のある飯能市には、パンフレット作りでご協力いただきました。こうした連携によって、『Japan Life with Seibu』プロジェクトと定期外事業との間で良いシナジーを生み出していけたらと思っています。

────GTNとの今後の協業について、どのようにお考えですか?
片山さん これからも一緒に、さまざまな施策を生み出していきたいと考えています。ちなみに、西武ホールディングスをはじめ、西武グループ各社がGTNさんの本社と同じ池袋にあることもあり、GTNさんの存在はとても身近に感じています。実際、何か思いついたら気軽に相談させていただいていますし、そういったフットワークの軽さが良い企画につながっていると感じています。関係が密な分、GTNさんも当社の事情を深くご理解くださった上で、いつも的確なご提案をくださるので、とても助かっています。
西耒路さん GTNさんとの協業でいうと、今後はインタビュー記事の方向性を少し変えていこうと思っています。これまでは「一駅につき一記事」で紹介するという形を取っていましたが、最近公開した所沢駅の記事は、人口増加が顕著な人気エリアということもあり、前編・後編の二本立てでじっくりご紹介しました。
片山さん これからも一緒に、さまざまな施策を生み出していきたいと考えています。ちなみに、西武ホールディングスをはじめ、西武グループ各社がGTNさんの本社と同じ池袋にあることもあり、GTNさんの存在はとても身近に感じています。実際、何か思いついたら気軽に相談させていただいていますし、そういったフットワークの軽さが良い企画につながっていると感じています。関係が密な分、GTNさんも当社の事情を深くご理解くださった上で、いつも的確なご提案をくださるので、とても助かっています。
西耒路さん GTNさんとの協業でいうと、今後はインタビュー記事の方向性を少し変えていこうと思っています。これまでは「一駅につき一記事」で紹介するという形を取っていましたが、最近公開した所沢駅の記事は、人口増加が顕著な人気エリアということもあり、前編・後編の二本立てでじっくりご紹介しました。
また、今までは都心寄りの駅を紹介してきましたが、今後は郊外の駅も取り上げていく予定です。さらに、まだ構想段階ではありますが、ターゲットを国籍別や在留資格別にセグメントして、それぞれに合わせた訴求施策を展開できたらと考えています。そうなれば、GTNさんの知見がますます必要になりますので、両者の関係もより一層深まっていくのではないでしょうか。
片山さん 今後もGTNさんと力を合わせながら、プロジェクトの可能性をさらに広げていけたらと思います。外国人の方々の暮らしに寄り添い、本当に役立つ取り組みを続けていきたいです。
片山さん 今後もGTNさんと力を合わせながら、プロジェクトの可能性をさらに広げていけたらと思います。外国人の方々の暮らしに寄り添い、本当に役立つ取り組みを続けていきたいです。

左:片山陽介さん/右:西耒路優さん
(ともに西武鉄道 運輸部 スマイル&スマイル室)
取材は2025年3月に実施しました。
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