DE&Iとは?GTNのリアル事例から考える多文化共生のヒント

2025年09月12日

DE&Iとは?GTNのリアル事例から考える多文化共生のヒント

「DE&I」とは多様性・公平性・包括性を意味し、国籍や性別、価値観などの違いを尊重し、誰もが力を発揮できる環境をつくる考え方。社員の7割が外国籍というGTNでは、外国人も日本人も区別せず、働く日常の中に自然と多文化共生が溶け込んでいます。この記事ではそんなGTNでの取り組みをご紹介!ぜひDE&I推進のヒントにしてください✨(EP183)

DE&Iとは?D&Iから進化した「公平性」の視点


最近、採用や人事の現場、経営戦略の文脈で耳にすることが増えた「DE&I」
これはダイバーシティ(Diversity:多様性)・エクイティ(Equity:公平性)・インクルージョン(Inclusion:包括性)の頭文字をとった言葉です。

企業が異なる背景や価値観を持つ人々を受け入れ、公平に扱い、包括的な環境を提供することで、誰もが自分らしく力を発揮し続けられる状態を目指す考え方とされています。

ダイバーシティ(多様性)
国籍や性別、年齢、宗教、価値観、障がいの有無など、あらゆる違いを受け入れること。

エクイティ(公平性)
全員が同じ条件でスタートできるように、必要な支援や環境を整えること。
「平等」と違い、人それぞれの背景や事情に応じて支援の形を変えるのが特徴。

インクルージョン(包括性)
多様な人材が組織に参加し、互いに尊重しながら力を発揮できる状態をつくること。

従来のD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の考え方に「Equity(公平性)」をプラスしたものがDE&Iで、D&Iから一歩進んだ概念として近年広がりを見せています。特に、SDGsやESG経営、人的資本経営とも深く関わるテーマとして注目度が急上昇。

ただし、DE&Iは単なるスローガンではなく、組織文化や日々の業務に落とし込んで初めて意味を持つもの。私たちGTNは「外国人が日本に来てよかったをカタチに」というミッションのもと、多文化共生社会の実現を目指しています。これはまさにDE&Iの実践そのものです。

社員の7割が外国籍!GTNが育むDE&Iの日常

GTNの事業の中心には「外国人と日本社会をつなぐ」という役割があります。社員の7割が外国籍でありながら、社内コミュニケーションの基本は日本語です。社外から見ると「どうやって業務を回しているの?」と不思議に思われるかもしれませんが、私たちにとってはこれが当たり前の環境。

もちろん文化や言語の違いから、日常の中でちょっとした勘違いやミスコミュニケーションが生まれることもあります。例えば、日本的な「暗黙の了解」が通じにくい場面も多く、GTNではローコンテクストな伝え方を意識しています。

さらに、文化的背景への配慮、外国人がキャリアアップを目指し活躍できる体制、社員の声を反映できるボトムアップの仕組みなど、さまざまな取り組みを通して「多文化共生は当たり前の日常」という環境を育んできました。

私たちは「"外国人だから"という理由で特別に配慮する」のではなく、全社員が心地よく働ける環境を大切にしています。その姿勢こそが、GTNが実践するDE&Iの基盤。こうした日常の積み重ねが、GTNの目指すDE&Iにつながっています。

DE&Iの実践事例をチェック!GTNの現場から

続いて、GTNが実際にどんな取り組みを行っているのか、具体的な事例を交えてご紹介します!

① 宗教・文化への配慮を「標準化」

GTN社員の出身地は20の国・地域にわたり、宗教や文化的背景もさまざまです。だからこそ、配慮は「特別対応」ではなく「標準対応」。お願いしなくても理解されている安心感があるからこそ、気兼ねなく業務に集中できます。

さらに、一人ひとりが自分の文化や信仰を尊重されていることで、社員同士の理解や信頼関係も自然に深まっています。

・祈りの部屋を設置し、当たり前に信仰を守れる環境を整備
・ラマダン時期は業務を柔軟に調整し、仲間の文化や生活リズムに寄り添う
・ハラールやベジタリアン対応を標準化し、安心して食事を楽しめる文化を醸成

② 管理職の4割が外国籍、マネジメント層に積極登用

意思決定の場に外国籍社員がいないと、どうしても日本的な価値観や慣習が前提になりがちです。GTNでは「外国人のための職場」ではなく「外国人とともに作る職場」を目指し、多様な視点を意思決定に取り入れています。

現在、管理職の41.5%が外国籍。役員やマネジャーとして活躍し、多文化の視点が日常的に組織運営へ反映される体制です。

・外国籍社員をマネジメント層に登用
・経営判断やサービス設計への参画

③ 社員の声を形にするボトムアップの仕組み

GTNでは経営層だけでなく、現場からの声も同じように大切にしています。国籍や部署を問わず、多様な社員の声を取り入れており、年1回のピッチコンテストで選ばれたアイデアには予算がつき、実際に制度や企画として実現されます。

たとえば、2025年7月に導入された「ボ!活休暇(ボランティア活動休暇制度)」はその一例。社員が地域社会とつながり支え合う活動に参加できる仕組みで、GTNの「共に生きる」姿勢を体現しています。

・年1回、社員のアイデアを発表するピッチコンテストを開催
・表彰されたアイデアは制度や企画として実現

④ 相互理解と社内コミュニケーション促進

GTNでは社内公用語を日本語としていますが、単に言葉を合わせるだけでは文化の壁は越えられません。文化や習慣の違いを尊重し、言葉の背景まで説明する「ローコンテクスト」な伝え方や、社内ツールで互いの文化を紹介する取り組みを行っています。

さらに、社員の声から始まったランチ交流企画「ひるトーーーク!」では、部署や役職を超えてランチをしながら気軽に会話でき、相互理解と一体感の醸成につながっています。

・日本語は「分かりやすく、背景も伝える」をルール化
・社内ツールで日常的に他国の文化を紹介
・部署・役職を超えて交流できるランチ交流会

⑤ ライフイベントに応じた柔軟な勤務体制

母国への帰国や宗教行事、家族の事情など、社員によって必要な休暇や勤務形態は異なります。GTNではそうした多様な事情を尊重し、柔軟に長期休暇を取得したり勤務時間を調整したりできるようにしています。子育て世代をサポートする「スマイルペアレンツ制度」も。

社員の生活や家族を大切にできる環境も、GTNが大事にしている姿勢のひとつです。安心して働き続けられることは、社員の定着や安心感にもつながっています。

・宗教行事や家族の事情に合わせた休暇の取得
・柔軟な勤務時間の調整
・子育て世代を支える時短制度

これらの取り組みは、
国籍や文化の違いを尊重する Diversity(多様性)
社員一人ひとりに機会を開く Equity(公平性)
誰もが安心して参加できる Inclusion(包括性) を体現しています。

そして、GTN流のDE&Iの特徴は大きく3つ。

・特別対応ではなく、“全員の当たり前”にする
・形式ではなく、機能する制度を重視する
・制度と文化を両輪で動かし、日常に溶け込ませる


私たちにとってDE&Iは特別なことではなく、日常の延長。その姿勢をこれからも大切にしていきます。

DE&Iを推進!外国人社員が活躍する工夫ポイント

GTNの取り組みは、業種や規模を問わず応用できるものばかり。「まずはここから」と考えるヒントにしていただければ嬉しいです。

【小さな配慮から始める】
いきなり大きな制度を整える必要はありません。まずは社内の案内表示を多言語化するなど、日常に溶け込む工夫からでも効果があります。

【声を拾って形にする】
社員アンケートやアイデア募集を仕組み化すれば、現場の本音をすくい上げられます。提案を取り入れることで、社員の納得感や一体感も高まります。

【「誰かのため」ではなく「みんなのため」にする】
外国人社員向けに整えた制度でも、日本人社員にも役立つよう設計すれば、「特別扱い」ではなく「全員にとって便利な仕組み」として受け入れられやすくなります。

【制度と文化をセットで動かす】
制度を整えるだけでなく、社内イベントや日常会話で価値観を共有することが大切です。仕組みと文化が両輪で回ることで、定着につながります。

小さな一歩の積み重ねが、着実にDE&Iの定着につながるでしょう。

まとめ

GTNの取り組みは、「特別なこと」ではなく日常に根づいた実践の積み重ねです。
多様な人材が安心して力を発揮できる環境づくりは、どの企業でも少しずつ取り入れられるもの。

自社らしいDE&Iの形を考えるうえで、この記事がヒントになれば嬉しいです。
DE&Iを日常に。

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