グローバル採用はいつから始めるべき? ~外国人と共に働きだして気付けたこと~

2022年03月29日

グローバル採用はいつから始めるべき? ~外国人と共に働きだして気付けたこと~

皆さま、こんにちは。DIVERSITY TIMESライターの齊藤です。
管理件数は全国約100,000戸、2021年の仲介件数42,000件以上と、どちらも全国トップ10を誇る不動産会社リロパートナーズグループ。
その子会社でありながら小田急沿線を代表する東都不動産が、一般社員として外国人を採用したとお聞きしました。
「外国人」としてではない外国人採用の結果、どのように感じられているのでしょうか。
東都不動産明大前店 店長の楢舘 隆史さんと、賃貸流通ユニット ユニットマネージャーの和久田 幸嗣さんにお話を伺いました。

新宿・渋谷どちらからもアクセスしやすい明大前駅の、改札を出ると右手にすぐ見えるとても目立つ看板

___リロパートナーズグループさんの不動産会社としての特色はどういったところでしょうか?

楢舘 隆史(以下「楢舘」):管理会社でもあるので、オーナー様とお客様を仲介するだけでなく、その後の管理までやらせていただいているというところです。そういった点で地域貢献もできているのかなと思います。

___今回は明大前店にお邪魔していますが、このエリアの特徴はどういったところですか?外国から来た方もいらっしゃるのでしょうか。

楢舘:明治大学、日本大学が近いので学生さんは多いですね。

都心へのアクセスも良いので、社会人の方にも人気のエリアです。外国の方も多くいらっしゃって、特に多いのは留学生です。

店頭にはGTNのステッカーが貼られており保証利用も準備万全

___リロパートナーズグループさんで外国籍の方を雇っていらっしゃると伺っていますが、どちらの方ですか?

楢舘:モンゴルの方1名、中国の方1名です。

和久田 幸嗣(以下「和久田」):お二人とも同じタイミングで入社されましたね。ちょうど3年になります。

___採用に至るきっかけというのは何かあったのでしょうか。

楢舘:社内でもグローバル化をという話はあったのと、実はGTNさんからご紹介いただいたのが直接のきっかけです。当店舗ではモンゴルからの方が働いていますが、本当に問題解決能力が高く、日本の新卒の方にも是非見習ってほしい社員です。

和久田:うちは「外国人をターゲットにするため」というわけではなく一般社員として採用した」のが特徴的だと思います。外国人に特化するというわけではなく、普通に戦力になってもらっているので、非常にありがたいです。

特別扱いはせず平等に課題もチャンスも与えている(イメージ)

___国籍や民族に関係なく、優秀な方は戦力になるということですね。

和久田:それに+αとして、例えば同じ国だったり言語だったりの方のサポートができるということなので、そこは強みとして活かしていきたいですね。特に中国の方はネットワークがしっかりとあるので、中国出身の社員は独自に工夫して集客などもやってくれています。当社の弱みをカバーしてくれていると感じます。

___外国の方を初めて採用されたということで、何か大変だった点はありますか?

和久田:明大前店に所属しているモンゴル出身の社員の話になりますが、当社の業務では車でご案内することが多いので、免許を取るのには少し苦労していましたね。

彼、国際免許の切り替えではなく、普通の自動車学校に行き、日本語の試験を受けて、ということだったので、本人は苦戦しつつ頑張っていました。今では何の問題もなくお客様をご案内しています。

楢舘:しいていうなら、最初の頃には日本語をわかったフリをしてしまったということはありました。

専門用語はわかるのですが、日本人同士の隠語がわからなかったということですね。なので言語の壁というのは多少あったと思います。

彼は入社時からN2の資格を持っていたのですが、日本に来て仕事を頑張りつつ、N1を取得されました。

___漢字圏でない方は苦労すると聞きますが、本当に向上心をお持ちの方なんですね。専門用語よりもくだけた言葉の方がわかりづらいということは、仕事に関わる言葉をきちんと勉強されている証拠ですね。

楢舘:方言に近いような言葉はわかりづらいようです。でも前後の文脈からニュアンスは汲み取っていますし、お客様とも違和感なく話していますね。メールの文面作りなどはヘタな日本人よりも上手いです。

___N2というのは、仕事をするのに十分なレベルなのでしょうか?

和久田:もちろん初めは不安な点もありましたが、配属後はどこの店舗でも店長がつきっきりで教えてくれるので、入社時点でN2レベルであれば問題ないかなと思います。

ちょっと面白いエピソードとしては、日本人社員の話し方をずっと聞いていたので、喋り方がそっくりになったということがありました。電話で話すとどちらかわからないくらいでしたね。それくらい、日本語を習得するために集中して聞いていたんだろうなと思います。

会話能力においてN1・N2は目安にしかならない(イメージ)

___仕事としての話し方、というものもありますしね。まさにそういった点は日本人社員も見習うべき点かもしれないですね。

和久田:日本に残って長く働いている方は、素直で真面目な方が多いんだろうなと思います。だから吸収力もあるのかなと。

楢舘:あとは、本人が苦労する点としては、オーナーさんの中にはまだ外国人に抵抗感を覚える方もいらっしゃるということでしょうか。一緒に働いている身としては悲しいことですが。

和久田:一度お話ししてしまえば、別に日本人とやりとりするのと変わらないというふうにわかっていただけるんですけどね。

___そういった先入観のようなものは本人の努力で動かしづらいので、難しいところですよね。何か意識してフォローされている部分や、教えられているところはありますか?

楢舘:外国人だから特別、ということはないですね。

和久田:研修については、店舗に配属される前に本社で3ヶ月行いました。基本的なビジネスマナーやビジネス用語についてですね。そこだけは日本人社員と違う点かなと思います。

___会社全体として、外国人を雇って変わったと感じられていることはありますか?

楢舘:違う文化を持つ人が入って来たことで閉鎖的でなくなり、異動の際にも抵抗感が少なくなったのではないかと感じています。

和久田:今までは外国籍の方の入居が厳しい物件も多かったんですよ。

でも社内に2人も外国人が入ってくれたことによって、社内の管理部など他の部署にもそういう開放的な感覚が浸透して来たかなという感じはあります。

___今後も外国籍の方の採用は進めていきたいとお考えですか?

楢舘:私としてはメリットしか感じていないので、続けていければと思いますね。外国から来て日本で頑張っている姿から、同僚もいい刺激を受けているのではないかと思います。

和久田:今年の新卒採用ではいらっしゃらないのですが、今いる2人のおかげで社内に抵抗感はないので、タイミングが合えばぜひ、と思っています。

東都不動産だけではなく、不動産のグループもたくさんありますし、リロパートナーズグループの他の事業でも同じ考えだと思うので、そのあたりでもスタッフとしての外国人受け入れは強化できるのではないかと思います。コロナ以降は、客層として外国人をターゲットとするための外国人採用、という考え方も出てくるかもしれません。

___外国人採用をためらっている企業さんにアドバイスはありますか?

楢舘:まずは一度話を聞いてみて、飛び込んでみるのがいいのではないかと感じます。

一緒に働いているモンゴル出身の彼に関して言えば、新卒の日本人を採用するよりも即戦力として活躍してくれています。ここで働くんだ、という強い意欲を持って来てくれていますね。

___リロパートナーズグループさんの今後の目標、展望はどういったものでしょうか。

楢舘:グループとしてはどんどん輪を広げていっているところなので、全国区で知名度をあげていくこと、その上で地域の中で「リロの賃貸にとりあえず行ってみよう」というふうに思っていただけるようにしていきたいですね。

___地域との繋がりを作る上でも、社内の多様性は重要になっていきそうです。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

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