交換留学生サポートにおける大学の役割と課題 ~国際交流担当者が知っておくべきこと~

2023年02月28日

交換留学生サポートにおける大学の役割と課題 ~国際交流担当者が知っておくべきこと~

皆さま、こんにちは。DIVERSITY TIMES編集長の山﨑です。
期を重ねるごとに新規留学生の来日も活発になってきた昨今。各教育機関でも盛り上がりを魅せる中、
兵庫県は西宮市にある関西学院大学でも交換留学生の受け入れがおこなわれていらっしゃいますが
どうやらその受け入れに、GTNがお力になっている部分があるという噂を耳にしました。ということで…

DIVERSITY TIMESで初の関西訪問!今回は、大学×GTNで実現できる取り組みについて事例をご紹介します。
大学の抱える役割と課題という二面で、北川 雄基さんにお話を伺いに行ってまいりました。

キャンパス正面での記念撮影。左から、北川さん、GTN大阪支店・入江、GTN外国人支援部 部長・林。

関西学院大学の歴史と留学生受け入れの軌跡

山﨑:本日はよろしくお願いします!まず早速ですが、関西学院大学はどんな学校なのでしょうか?

北川 雄基(以下「北川」):1889年創立で、133年の歴史を誇る学校です。学生は約24,000人、14の学部と14の大学院で構成される総合大学です。

大学を運営する母体の学校法人関西学院は、幼稚園、初等部、中学部、高等部、短期大学、インターナショナルスクールを持つ総合学園です。

キリスト教主義教育を建学の精神とし、学院全体を貫くスクールモットーとして「Mastery for Service」を掲げ、隣人・社会・世界に仕える世界市民の育成をおこなっています。

山﨑:交換留学の制度を始められたのはいつ頃ですか?

北川:40年ほど前になります。1980年頃に、当時すでに本学と関係のあったアメリカの大学と協定を結び、学生を派遣したのが始まりと聞いています。その後も協定先を増やして、関係を築いてきました。2022年の時点で57の国と地域に280校協定校があります。そのうち、交換留学できるのが約190校です。
山﨑:御校には交換留学ではない、通常の留学生もいらっしゃるんでしたっけ?

北川:はい、学位の取得を目的とする正規留学生が約900名在籍しています。

山﨑:そちらは入学試験を経て入学という形ですか?

北川:そうですね、学部生は外国人留学生入試を、大学院生は各研究科で実施する入試を受験していただくことになります。

山﨑:なるほど。特に交換留学の歴史は長いということですが、交換留学制度自体は他校にもありますよね。その中で、御校の制度の強みはなんでしょうか?

北川:本学の留学制度の特徴として、「Contemporary Japan Program」、略してCJPという交換留学生向けのプログラムがあります。このプログラムでは2つの専攻があります。
ひとつが「Japanese Language Truck」JLTと呼ばれています。日本語を集中的に学習できます。
もうひとつが「Modern Japan Truck」MJTで、英語で開講されるセミナーを通じて、現代文化を様々な角度から考察します。

どちらを専攻した場合でも本学の副部科で提供されている授業が履修可能になっています。
協定校からもCJPに対する評価は高くいただいていまして、コロナ禍前の2019年まで交換留学生数は年間で約400名となっています。

留学生受け入れの具体的なフローと課題

山﨑:コロナ禍では留学生の受け入れは難しかったことかと存じますが、今後はまた増えていく見込みですか?

北川:回復していく見込みですね。学生に対するサポートも本学の強みで、たとえば「KG Buddies」と呼ばれる学生サポーターをマッチングしています。身近な存在に相談できるようになる心強い制度かなと感じます。

山﨑:それも強みの一つということですね。交換留学の期間はどのくらいですか?

北川:1学期間(5~6ヶ月)と1年間(11~12ヶ月)というふたつのスパンで学生を受け入れています。
山﨑:このふたつの期間が用意されているのは、学生さんがご自身の状況に合わせて選べるようにということでしょうか。

北川:そうですね。日本語レベルや学習目的の面ですとか、学修計画に合わせて選んでいただけるようになっています。また、海外の大学によって留学できる期間や時期も異なるため、総合的に判断して選ばれているかと思います。

山﨑:学生さんは日本を、その中でも関西学院大学さんを選んで留学に来られているということになりますが、どういったことを学んでいかれるのでしょうか。

北川:400名もの留学生がいるので人それぞれではありますが、日本語能力の向上をはじめ、大学での学修はもちろん、それ以外にも様々な体験をして帰国しているなというのが個人的な感想です。

たとえば、ホストファミリーとの交流、寮での友人関係、日本各地への旅行などを通じて、日本という国に対する異文化理解能力を高めてくれていると感じます。留学終了後に日本で就職したり、再来日して本学の大学院に正規留学生として入学してくださるケースもあります。留学生が留学後もなんらかの形で日本に関わってくれるということが本学にとっても大きな喜びです。

山﨑:もう一度日本に来たい、と思ってもらえるような留学経験になっているんですね。
いろいろな学生さんに対応していらっしゃる中で、生活面での困りごとを相談されるようなこともありますか?

北川:そうなんです。文化や制度の違いに混乱したり戸惑ったりという相談を寄せられることはありますね。

山﨑:そのような相談に対して、どこまでの範囲をサポートしていらっしゃるんですか?

北川:受け入れ許可を出した学生に対するサポートは来日前から始まっていて

● 注意事項をまとめたプレパレーションガイドの送付
● 留学コーディネーターとのオンラインでの個別面談

を渡航前に行って、留学生の不安を和らげられるよう心がけています。

来日後は、約1週間にわたるオリエンテーション期間を設けていて、日本での生活に必要な手続きや授業履修について案内しています。
留学期間中のサポートは、コーディネーターを中心としたチームで包括的な対応を行なっていまして、保健館で健康に関する相談を、総合支援センターでは精神面や障がいをお持ちの学生さんの相談なども承っています。

いろいろな部署が連携して対応していますね。

山﨑:かなり充実していますね。

北川:ただ、夜間や休業期間などの突発的な問題に対してはGTN Assistantsなどの外部機関を利用させていただいて、対応しています。

必見!大学がGTNと手を取り合うメリットはこれ!

山﨑:GTNのサービスをご利用いただいているということで、改めましてありがとうございます(笑)

さまざまな学生をサポートされている中で、不安に感じていらっしゃることもあるのでしょうか。
不便な点や改善点など、以前から感じていらっしゃったところはありますか?

北川:突発的な事案というのが大きな課題ではあって、事故や犯罪に巻き込まれるといったトラブル、体調不良などは時間や場所を問わずに発生しますので、先ほどお話ししたような体制を整えていても、常に不安な点ではあります。

留学生の受け入れにおいては学生の安全が最優先なので、チーム内では常に体制の見直しを行なって万全な状態を整えようとしています。

山﨑:外国人の方だからこそ直面するような問題もありますか?

北川:その点で申しますと、どうしても言語の壁による問題は大きいですね。

たとえばトラブルに巻き込まれた時に、もちろん語学力の高い学生さんもいらっしゃいますが、日本語が流暢ではなくコミュニケーションがうまく取れないというケースはあります。病院に行っても自分の状況が上手く説明できなかったり、医療スタッフの説明が理解できなかったり、ということはいつでも発生しうる問題ではあると考えます。

山﨑:文化の違いによって留学生がトラブルに巻き込まれてしまうケースもありますか?

北川:多くはありませんが、自国の文化との違いに戸惑ったり、ホームシックになったりということはありますね。

特に来日直後はそれらが精神的負担になりやすいです。しかし本学としても、対応可能な人員には限りがあり、その点が課題になることは多いですね。
山﨑:ちなみに、北川さんは日本語以外の言語でも対応していらっしゃるんですか?

北川:英語が話せます。先ほどお話ししたMJTは英語でのプログラムなので、日本語を勉強したことがない参加者もいます。そういう方に対しては、やはり英語での情報提供が必要になってきますね。

山﨑:やはり英語は大事な言語ですね。交換留学生はどこの国籍の方が多いですか?

北川:さまざまですね。正規留学生は漢字圏からの学生さんが多いですが、交換留学生ですと日本語を使うことが必須ではないということもあって、ヨーロッパにしても、南欧・中欧・東欧、バランスよく在籍しています。また、北米やアジア、オセアニアからも幅広い国籍の方が来ています。

山﨑:そうなんですね。そうすると、単に言語面だけのサポートという点だけではGTNが提案させていただいた支援サービスの導入は利便性が図れたとまでいえないように感じますが、キッカケ・決め手は何だったんでしょうか?

北川:GTN Assistantsについては、医療対応だけではなく、学生が身近な生活環境について気軽に相談できる窓口があれば、と思っていたのがキッカケです。医療対応に特化した危機管理サービスはすでに導入していたのですが、それを補完するものとしてGTNのサービスが最適ではないかということで導入させていただきました。

外国人従業員の来日手配から福利厚生・定着支援・医療通訳などをサポートするGTNアシスタンツ。外国人社員の困ったを解決し、ストレスなく働ける環境作りをサポートします。また、GTN Assistants for Bizは外国人社員を受け入れる企業の皆様もサポートし、受け入れ大勢の確立を支援します。

GTN MOBILEについては、従来の危機管理サービスは電話対応とするものが主でしたので、確実なサービス利用という観点で、本学のニーズに対応しているのではないかということから選ばせていただきました。
また、「学生⇔本学間の手続が確実なものになるようにしたい」というのもひとつの理由ですし、「安価で契約期間のしばりもなく利用できる」という点も強い要望なので、そちらも大きな理由のひとつとなっています。

山﨑:そう言っていただけると嬉しいです。「契約期間のしばりがない」という点は、交換留学生の方にとってもメリットが大きいものなんでしょうか?

北川:学生からすると、基本的な制限がない、ということは魅力的に映るようです。

山﨑:導入が始まったのが昨年度の秋学期入学の学生さんからとのことでしたよね。

北川:はい。9月入学の約180名が対象でした。

GTN AssistantsとMOBILEを導入してみて

山﨑:GTN AssistantsやGTN MOBILEに対する学生さんの反応は何かありましたか?

北川:学生の反応が直接見えることはあまりないですが、学校側が学生を安全に管理できるというところに有益性があると感じています。確実につながる電話番号があって、困った時に相談できる窓口もある、ということは大きな安心材料になっています。
GTN Assistantsについては、これまでは事務室で相談を受けていた案件をそちらで受けていただくことによって、学校側の負担軽減になっていますね。

山﨑:どういった場面でご利用いただいているのか、何か具体例はありますか?

北川:先ほどのお話とも重なりますが、GTN MOBILEは学生とのコミュニケーションを図るツールとして有益ですし、GTN Assistantsについても、学生が抱える生活の相談すべてに事務室で対応するのは職員の負担も大きいので、導入によってかなり負担は軽減された実感があります。

GTN Mobileは、日本で利用可能な外国人向けのSIMカード(プリペイド/ポストペイド)、WiFiサービス、そしてTop Upなどを提供しています。海外からの旅行者や滞在者向けに、便利な通信サービスを提供しています。SIMの受け取りは日本全国の様々な空港やお自宅への配送が可能です。

山﨑:逆に、このサービスに対してさらに求めたいものはありますか?

北川:すでにご相談させていただいているのですが、GTN Assistantsで日々学生の相談が寄せられていると思うので、その具体的な内容や対応結果を、本学にも適宜共有していただく機能が実装されるとありがたいですね。

受け入れている学生がどんなことに困っているのか、こちらとしても把握しておきたいですね。
問題に対応していただくこととその内容を共有していただくことは不可分のものなのかなと考えていますので、そのようなサービス実装をご検討いただけると嬉しいです。

山﨑:ありがとうございます、伝えておきます(笑) GTN MOBILEの方はいかがですか?

北川:私も詳しいわけではないのですが、ヨーロッパの国での携帯の使い方というのは日本とあまり変わらないようなのですが、定額で通話・SMSなど使い放題という自由度の高いプランが一般的だと聞いています。
ですので、特に欧州の学生を対象に、より自由度の高いプランに対する需要は高まっていると思います。

今後さらに留学生を豊かにするために

山﨑:今回は交換留学生にフォーカスさせていただきました。来年4月に入学、そしてこれたGTNサービス導入の対象になる学生さんは何名程度でしょうか?

北川:120~130名を予定しています。

山﨑:おお、やはり秋学期の方が多いんですね。

北川:そうですね。世界的なアカデミックスケジュールは9月入学が多いからですね。春の方もオーストラリアなどからいらっしゃる学生さんも多くはなってきているかなといったところです。
山﨑:GTNのサービスは交換留学生だけではなく正規留学生の方にもご利用いただけるのではないかというイメージはあるのですが、事務局には一般の留学生の方も相談にいらっしゃるんですか?

北川:そうですね。私どもの国際教育・協力センター(Center for International Education and Cooperation、通称「CIEC」)では、本学学生の海外派遣から留学生全般に関する業務を所管しており、正規留学生に対応するチームも同じ部署に所属しています。

住宅の斡旋に関してはすでにGTNさんのサービスを使わせていただいていたかと思います。
ただ、交換留学生と正規留学生の違いとして、正規留学生には特別な危機管理サービスを構築していません。つまり、日本人学生と同じ扱いということですね。なので、交換留学生のように一括でシステム導入というのは現段階では難しいかなというところですが、状況に応じては検討も視野に入れたいですね。

山﨑:GTNのサービスもこれからもどんどん変化していくので、またなんらかの形でお役に立てればと幸いです。最後に、今後の展望についてお伺いできますでしょうか。

北川:大学を取り巻く状況もかなり変化しています。

学生の修学上の困難、たとえばなんらかの障がいをお持ちで配慮が必要であるとか、そういったケースに対して大学側が環境調整をする「合理的配慮」を行うよう、2021年に法律で義務化されました。
それに基づいて、大学は新たな課題に対しても適切かつ迅速に対応していくことが求められています。本学でも引き続き、危機管理体制の改善に努めていく予定ですし、学生さんが少しでも安心して留学生活に取り組んでいけるように、今後もサポートの拡充を図っていきたいと考えています。

山﨑:その取り組みの、ほんの少しのお手伝いが今後もGTNでお力になれたら嬉しいです。本日はありがとうございました!

関西学院大学 交換留学生受け入れチームの皆さん

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